
久乗おりんの音は、
最後の仕上げだけで生まれるものではありません。
素材を選び、
鋳造し、削り、磨く。
その一つひとつの工程が、
音を形づくっています。
まず、金属を溶かし、型へ流し込む「鋳造」。
久乗おりんは、
この鋳物の技術をもとに作られています。
鋳物の特徴は、
素材や配合に幅を持たせることができる点にあります。
どの金属を、どの割合で使うか。
その違いによって、
音の響きや余韻は大きく変わります。

その後、「切削」の工程へ進みます。
表面や厚みを整えながら、
音の高さや響きを調整していく。
わずかな違いでも、
音は大きく変わります。
見た目を整えるだけでなく、
音を仕上げるための工程でもあります。

最後に「磨き」。
表面を丁寧に磨き上げることで、
響きはさらに澄んでいきます。
久乗おりんの音にある、
長い余韻や透明感は、
こうした工程の積み重ねによって生まれています。
おりんには、
金属を打って作る「手打ち」のものもあります。
一方、久乗おりんは、
鋳造によって素材から音を設計しています。
鋳物だからこそ、
素材や配合にこだわることができる。
そこに、
久乗おりんならではの音づくりがあります。
音は目に見えません。
けれど、
素材、厚み、形、磨き。
そのすべてが、
ひとつの響きにつながっています。
久乗おりんは、
工程の一つひとつを重ねながら、
音を作り続けています。