音は、耳で聞くだけのものではありません。
大きな太鼓の音が、おなかに響く。
遠くの雷の音に、空気の震えを感じる。
音は振動であり、波でもあります。
その波は、耳だけでなく、空間や身体にも届いています。
久乗おりんの音もまた、
ただ聞くだけの音ではありません。
撥で鳴らした瞬間、
音は空間に広がり、余韻となって残ります。
実際に鳴らした音には、
録音やスピーカーでは伝わりきらない、
細かな振動や倍音が含まれています。

自然界の音には、
「1/fゆらぎ」と呼ばれる特性があります。
川のせせらぎ。
風に揺れる木々。
波の音。
人が心地よいと感じる音には、
規則的すぎない揺らぎがあります。
久乗おりんの音にも、
そうした響きが含まれていると言われています。
富山大学心理学研究室との共同研究では、
おりんの音を聞くことで、
気持ちが落ち着く傾向も確認されています。

おりんは、
ただ音を聞くためのものではありません。
実際に手に取り、自ら鳴らす。
その余韻に耳を澄ませる。
そこに、久乗おりんの音を鳴らす意味があります。